仕事を知る

#01 埼玉スタジアム編

Project Story

国内外の有名選手が走る日本最大のサッカースタジアム。
司令塔となってその屋根を支えた

誇りを胸に。

営業部営業課 課長

藤田 明規

観客席数63,700席―アジア最大級・日本最大のサッカー專用スタジアムである埼玉スタジアム。2002年6月に開催された日韓共催のFIFAワールドカップでは、日本代表の初戦や準決勝戦などが行われ、世界各国から注目を集めた。サッカー専用として建設されたため、スタンドとピッチの距離が近く、ゲームの臨場感を感じやすいスタジアムになっている。

このスタジアムの特徴は、全席の3分の2にかかる芸術的な大屋根。つがいの白鷺をイメージして作られた大屋根の形状を保ちながらスタジアムと接続する、屋根のジャッキダウンエ事において、藤田ら大瀧ジャッキの制御開発グループの指示が力を発揮した。

カーブしている一番高い部分と一番低い部分では、かかる荷重が違うため、そのバランスを取りながらジャッキダウンしないと屋根自体が崩れてしまう。そのため支点にセンサーを設置して計測しながら、実測値が設計値の許容範囲内にあるよう管理するのである。もちろんいつも設計値通りに進むわけではない。実測値の動きを見て、考え得るリスクを管理するのも制御開発の重要なミッションとなる。

数値だけを見て建設物自体の状態をイメージできること、数値からリスクを読み取るアンテナが重要だと藤田は言う。制御開発が担うのは、いわば建投の“司令塔”。日本最大である埼玉スタジアムの大屋根であっても、その形状は、小さな数値の動きによって管理されている。その数値に基づいた的確な指示なくしては、建設はスムーズに進まないのだ。ときには自分でソフトをブログラムして、機材を用意して、現場に出向いて、一連の流れすべてをコントロールする。この責任ある仕事に、藤田はやりがいを感じている。「お客様の要望を満たし、条件をクリアした建設を進めるためのブレーン、それが自分だ。』