物上げ用油圧ジャッキ(複動型)

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使用上の注意

油圧ジャッキをご使用の際は必ず本書をお読みになり、内容を十分に理解してから取り扱ってください。

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安全上の注意

注意事項は下記3種類に分類しております。

取扱いを誤った場合、死亡又は重傷を負う事柄。

取扱いを誤った場合、死亡又は重傷を負う可能性がある事柄。。

取扱いを誤った場合、身体に損傷を負う可能性又は物的損害が発生
する可能性がある事柄。


油圧ジャッキの改造はおやめください。動作不良につながる可能性があります。

油圧ジャッキは単一で使用する場合は想定される鉛直荷重の「1.5~2倍」の能力、複数の油圧ジャッキを同一油圧で動作させる場合は「1.2~ 1.5倍」の能力を有するジャッキを使用してください。(鋼構造架設設計 施工指針参照)また、「ジャッキ式つり上げ機械」として使用の場合は特 別教育が必要となります。

油圧ジャッキは荷重方向に対し垂直に設置してください。

油圧ジャッキは荷重受け部の中心で、垂直かつ全面で荷重を受けてください。載荷物のジャッキ接触面に勾配がある場合はユニバーサルヘッド付きジャッキ、又はテーパープレートを使用し全面接触としてください。
勾配部を直接受けた場合、ジャッキヘッドの損傷やジャッキが転倒する可能性があります。また、偏芯荷重は載荷物の損傷やジャッキが転倒する可能性があります。

油圧ジャッキに衝撃荷重を負荷させないでください。またジャッキ本体に打撃を与える、落下させるといった強い衝撃を与えることはおやめく
ださい。作動不良や油漏れを起こす可能性があります。

油圧ホースは別紙記載のカップラー脱着手順通りに確実に接続してくだ さい。接続不良の場合、油圧ジャッキが破損する可能性があります。

長時間油圧ジャッキにて荷重を保持する場合は、仮受け材等で載荷物の 落下防止措置を講じてください。

各油圧ジャッキの銘版に記載されている最高使用圧力以上でのご使 用はおやめください。油圧ジャッキが破損する可能性があります。

油圧ホースに重量物を載せないでください。また、ねじれが発生するよ
うな使用方法もおやめください。潰れやキンク等の変形により強度が 著しく低下し、油漏れの原因となります。

油圧ジャッキ近傍で溶接作業等を行う場合は必ず油圧ジャッキと油 圧ホースを火花養生してください。高温により損傷し油漏れの原因 となります。

油圧ジャッキ・油圧ホースに通電させないでください。通電した場合、 破損や感電の原因となります。

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各部名称

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使用前点検

点検箇所点検内容
油圧ジャッキ□ 損傷の有無
□ 油漏れの有無
□ 設置状態の確認
カップラー□ 損傷の有無
□ 油漏れの有無
□ 接続状態の確認
油圧ホース□ 損傷の有無
□ 油漏れの有無
□ 接続状態の確認
□ 配管状態の確認

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動作確認

ご使用前に必ず無負荷での作動確認を行ってください。

油圧ジャッキを作動させる際は、載荷物との間に手指・身体を挟まれない様に注意してください。

伸長動作の確認
  1. 油圧ジャッキと油圧ポンプを油圧ホースにて接続する。
  2. 油圧ポンプを伸長動作に切換え*1、油圧ジャッキの押し側に作動油を少し
    ずつ送り込む。
  3. 油圧ジャッキのロッドが少しずつ伸長することを確認する。
  4. ロッドが完全に伸長したら伸長量が仕様通りの数値か確認する。*2

*1使用する油圧ポンプによって操作方法が異なります。詳細は各油圧ポンプの取扱説明書をご確認ください。
*2ロッドが完全に伸長すると圧力が上昇します。油圧ポンプの圧抜き操作*1にて圧力を下げてください。

収縮動作の確認
  1. 油圧ポンプを収縮状態に切替える。*1
  2. スプリングの復元力により油圧ジャッキのロッドが少しずつ収縮することを確認する。*2

*1 使用する油圧ポンプによって操作方法が異なります。詳細は各油圧ポンプの取扱説明書をご確認ください。
*2 ロッドが完全に収縮すると圧力が上昇します。油圧ポンプの圧抜き操作*1にて圧力を下げてください。

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ジャッキアップ・ジャッキダウン操作手順

油圧ジャッキが加圧されている場合、急激な圧抜き操作はおやめください。載荷物のバランスが崩れ、荷が落下する可能性があります。

ジャッキアップ

  1. 所定位置に油圧ジャッキを設置する。状況に応じて油圧ジャッキの転倒防止 措置をとること。
  2. 油圧ジャッキと油圧ポンプを油圧ホースにて接続する。
  3. 油圧ポンプを操作し、ロッド先端が載荷物に触れるまでロッドを伸長させる。
  4. 油圧ポンプの圧力ゲージを確認しながら油圧ジャッキに圧力をかけ、載荷物 をジャッキアップする。

ジャッキダウン

  1. 油圧ポンプの圧力ゲージを確認しながら圧抜き操作を慎重に行い、圧力をゆっくり下げていく。(ジャッキダウン)
  2. 圧力ゲージの値がゼロになったことを確認後、油圧ポンプを収縮動作に切換えロッドを収縮させる。

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不具合の内容及びその原因と対策

症状考えられる原因対策
油が漏れている□ 油圧ジャッキの内部の破損
□ カップラー・継手類の破損
□ 油圧ホースの破損
□ 油圧ホースの接続時の少量の油漏れ
□ 機材を交換する
□ 機材・部品を交換する
□ 機材を交換する
□ ふき取り、再度漏れる場合は機材を交換する
圧力が保持されていない□ 油圧ホースの接続不良
□ ロッドが完全に伸長・収縮している
□ 油圧ポンプの操作ミス
□ 油圧ポンプの油量不足
□ 油圧ポンプの破損
□ 油圧ジャッキ内部の破損
□ 油圧ジャッキの能力不足
□ 接続状態を確認する
□ 伸長量を確認する
□ バルブを確認する
□ タンク内を確認する
□ 機材を交換する
□ 機材を交換する
□ 適切な機材を選定する
圧力が保持されない□ カップラー・継手類の破損
□ 油圧ポンプの操作ミス
□ 油圧ホースの接続不良
□ 油圧ジャッキ内部の破損
□ 油圧ポンプの破損
□ 機材・部品を交換する
□ バルブ類を確認する
□ 接続状態を確認する
□ 機材を交換する
□ 機材を交換する